マニフェスト交付等状況報告書の書き方|対象・期限(6月30日)・提出方法と電子マニフェストの扱い
紙のマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付した事業者は、毎年6月30日までに、前年度(4月1日〜3月31日)の交付状況を都道府県等に報告する必要があります。これが「産業廃棄物管理票交付等状況報告」です(廃棄物処理法第12条の3第7項)。
この記事では、報告の対象、単位、様式の書き方、電子マニフェストとの関係、提出方法を解説します。(本記事は2026年10月時点の法令と自治体の案内をもとにしています。様式や提出方法は自治体ごとに異なるため、提出前に事業場の所在地を管轄する都道府県・政令市の案内を確認してください。)
監修:劉 泰宏(株式会社Canopus 代表取締役)
東京大学教育学部卒業後、野村総合研究所に入社。NRI Singaporeへの出向を経て、同社Department Headを務める。2022年に株式会社新関西テクニカ常務取締役、同年12月に株式会社Canopus代表に就任。
報告が必要な事業者
- 紙マニフェストを交付したすべての事業者:排出量の多い少ないにかかわらず、1枚でも交付していれば報告が必要です。前年度に1枚も交付していなければ報告は不要です。
- 中間処理業者も対象:中間処理後の廃棄物を委託する際に二次マニフェストを交付した処理業者も、交付者として報告します。
- 電子マニフェスト分は不要:電子マニフェストで登録した分は、JWNET(日本産業廃棄物処理振興センター)が都道府県等に報告するため、交付者からの報告は不要です。紙と電子を併用している場合は、紙の分だけを報告します。
報告の単位と期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象期間 | 前年度(4月1日〜3月31日)に交付した紙マニフェスト |
| 提出期限 | 毎年6月30日(受付は4月1日からとする自治体が多い) |
| 報告の単位 | 事業場ごと。その事業場の所在地を管轄する都道府県知事(政令市などは市長)に提出 |
| 建設工事など | 設置が短期間、または所在地が一定しない事業場が2つ以上ある場合は、取りまとめて報告する |
| 様式 | 様式第三号(産業廃棄物管理票交付等状況報告書) |
様式第三号の書き方
報告書には、産業廃棄物の種類ごとに、次の内容を記入します。
- 産業廃棄物の種類:汚泥、廃油、廃プラスチック類など(特別管理産業廃棄物は区別して記入)
- 排出量:その種類の年間の排出量(トン)
- 管理票の交付枚数:その種類で交付した紙マニフェストの枚数
- 運搬受託者:収集運搬業者の許可番号・氏名(名称)
- 運搬先の住所:積替え保管の場所や処分場の所在地
- 処分受託者:処分業者の許可番号・氏名(名称)、処分場所の住所
同じ種類でも、運搬受託者・運搬先・処分受託者のいずれかが違う場合は、行を分けて記入します。様式の細かな書き方は、提出先の自治体が公開している「作成の手引」や記入例に従ってください。
記入例(1行の書き方)
東京都の作成マニュアル(2026年4月版)をもとに、1行分の記入のポイントをまとめました。書き方は自治体によって異なる場合があります。
| 項目 | 記入例 | ポイント |
|---|---|---|
| 産業廃棄物の種類 | 廃プラスチック類 | 複数の種類が混ざる場合は「その他混合廃棄物(廃プラ、金属、ガラ陶)」のように内訳を括弧書きにする |
| 排出量(t) | 3.250000 | トン単位で記入。㎥やkgで管理している場合は換算係数などでトンに換算する |
| 管理票の交付枚数 | 24 | A票の枚数で数える |
| 運搬受託者 | 許可番号(下6桁)と業者名 | 許可番号は契約書に添付した許可証の写しで確認。自社で運搬した場合は名称欄に「自社運搬」と書く |
| 運搬先の住所 | 処分場(積替え保管の場合はその場所)の所在地 | リレー方式で運搬を委託した場合は、区間ごとの受託者をすべて記入 |
| 処分受託者 | 許可番号(下6桁)と業者名 | 有償で売却した場合は許可番号欄に「有償売却」と書くなど、自治体の手引に従う |
主な自治体の案内
- 東京都:産業廃棄物管理票交付等状況報告書 作成マニュアル(PDF)(電子申請に対応)
- 大阪府:マニフェスト交付等状況報告の電子申請の案内
- 京都府:産業廃棄物管理票交付等状況報告(京都市内の事業場は京都市へ提出)
- 神奈川県:産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付等状況報告について
- 千葉県:マニフェスト交付等状況報告(ちば電子申請サービスに対応)
政令市・中核市などは、都道府県とは別に市が提出先になる場合があります。事業場の所在地ごとに提出先を確認してください。
集計を楽にするコツ
- マニフェストの控え(A票)を種類・委託先ごとに整理しておく:年度末にまとめて集計すると時間がかかります。月ごとにExcelへ記録しておくと、報告書にそのまま転記できます。
- 単位をそろえる:マニフェストの数量が「台」「個」「㎥」などで記入されている場合は、トンへの換算方法を社内で決めておきます。
- 電子マニフェストへの移行を検討する:電子マニフェストにすると、この報告そのものが不要になります。交付の手間や保存の負担も減るため、件数が多い事業場ほど効果があります。
電子マニフェストの費用や導入の進め方は電子マニフェスト完全ガイドと廃棄物管理システムの比較ポイントで解説しています。
提出方法
郵送・持参のほか、電子申請で受け付ける自治体も増えています。控えの返送をしない自治体もあるため、提出した記録を残したい場合は、電子申請や記録の残る郵送方法を選びましょう。交付したマニフェストの写しを添付する必要はなく、手元で5年間保存します。
多量排出事業者に該当する事業場では、同じ6月30日が期限の「多量排出事業者の処理計画・実施状況報告の書き方」で解説している処理計画書・実施状況報告書もあります。4月に前年度の実績を集計する際に、両方の報告に使うデータをまとめて準備すると効率的です。
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よくある質問
Q. 紙マニフェストを1枚しか交付していません。報告は必要ですか?
A. 必要です。交付枚数や排出量にかかわらず、前年度に1枚でも紙マニフェストを交付していれば報告の対象になります。
Q. 複数の事業場がある場合は、本社でまとめて出せますか?
A. 原則として事業場ごとに、その所在地を管轄する自治体へ提出します。都道府県と政令市で提出先が分かれる場合もあるため、事業場ごとに提出先を確認してください。
Q. 報告後に誤りに気づいた場合は?
A. 提出先の自治体に連絡し、訂正の方法を確認してください。電子マニフェストの登録内容を修正した場合の届出様式を用意している自治体もあります。