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高濃度PCBが見つかったら|JESCO終了後の届出・保管・処分(2027年4月からの扱い)

高濃度PCBが見つかったら|JESCO終了後の届出・保管・処分(2027年4月からの扱い)

高濃度PCB廃棄物を処理してきたJESCO(中間貯蔵・環境安全事業)の処理事業は、2026年3月末で終了しました。それでも、建物の解体・改修や倉庫の整理で、古い変圧器・コンデンサー・蛍光灯の安定器などから高濃度PCBが見つかるケースは今後も起こりえます。

この記事では、高濃度PCBが見つかったときにまずやること、2027年4月施行の改正PCB特措法での扱い、民間での処理に向けた国の動きを整理します(2026年10月時点の情報です)。

監修:劉 泰宏(株式会社Canopus 代表取締役)

東京大学教育学部卒業後、野村総合研究所に入社。NRI Singaporeへの出向を経て、同社Department Headを務める。2022年に株式会社新関西テクニカ常務取締役、同年12月に株式会社Canopus代表に就任。

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高濃度PCBと低濃度PCBの違い

区分 PCB濃度(目安) 主な機器 これまでの処理
高濃度PCB 5,000mg/kg超(可燃性の汚染物は10万mg/kg超) 主に1972年(昭和47年)以前に製造された変圧器・コンデンサー、古い蛍光灯・水銀灯の安定器 など JESCO(2026年3月末で処理事業終了)
低濃度PCB 0.5mg/kg超〜5,000mg/kg以下(可燃性は10万mg/kg以下) 絶縁油に意図せずPCBが混入した変圧器・コンデンサー など 無害化処理認定施設などの民間施設(処分期限 2027年3月31日)

高濃度PCB廃棄物の処分期限は、地域・品目ごとに定められ、すでにすべて過ぎています。

見つかったときにまずやること

1. 動かさない・分解しない

PCBは油状の物質で、漏れると周囲を汚染します。機器を分解したり、勝手に移動・廃棄したりせず、現状のまま安全を確保します。安定器などは、取り外しの際に破損しないよう電気工事の専門業者に依頼します。

2. 高濃度かどうかを確かめる

銘板のメーカー・型式・製造年を控え、メーカーの公表資料と照合します。安定器は、メーカー・型式・製造年から高濃度PCB使用の有無を判別できる場合が多くあります。判断できない場合は分析で確認します。

3. 都道府県(政令市)に相談・届け出る

PCB廃棄物を保管する事業者には、保管状況の届出が求められます。見つかった時点で、所在地の都道府県・政令市のPCB担当窓口に連絡し、届出の方法と今後の処理について確認します。

4. 保管基準を守って保管する

PCB廃棄物は特別管理産業廃棄物です。漏れない容器に入れる、雨水がかからない場所に置く、他の物と混ぜない、保管場所に掲示板を設けるなど、保管基準に沿って保管します。

2027年4月からの扱い(改正PCB特措法)

2026年6月に成立した改正PCB特措法(2027年4月1日施行)では、従来の一律の処分期限に代わり、廃棄物ごとに処分期間を設けるしくみになりました。

  • 保管する廃棄物が高濃度PCB廃棄物と判明した事業者は、保管の状況・場所などを都道府県知事に届け出る
  • 判明した日から5年を超えない範囲で政令が定める期間内に処分(自ら処分または委託)する
  • 毎年度の保管状況の届出、処分が終わったときの届出も必要
  • 旧法の処分期間を過ぎてから施行日(2027年4月1日)までに判明・届出されたものは、施行日を判明日とみなして新しい規定が適用される

出典:環境省「PCB特措法及びJESCO法の一部を改正する法律案について」(令和8年4月)

具体的な処分期間の年数は政令で定められる予定です。改正の全体像はPCB特措法の改正(2026年)で解説しています。

どこで処理するのか(民間処理への移行)

JESCOの終了後は、民間の施設で処理するしくみに移る方針です。環境省は、低濃度PCB廃棄物を処理している無害化処理認定制度の対象に、高濃度PCB廃棄物を加える告示改正の案を2026年5月に公表し、意見募集を行いました。前処理(抜油や部材の取り出しなど)で濃度を下げたうえで、認定施設の焼却炉・溶融炉で処理する方向で検討されています。

ただし、どの施設がいつから高濃度PCB廃棄物を受け入れられるかは、認定の状況によります。見つかった場合は、まず保管と届出を行い、処理先の状況を自治体や専門業者に確認しながら進めることになります。

解体・改修の前にやっておきたいこと

  • 事前調査にPCBを含める:アスベストの事前調査とあわせて、受変電設備・照明の安定器・古いコンデンサーを確認する
  • 図面・台帳を確認する:竣工年、設備の更新履歴、過去のPCB調査の結果を集める
  • 所有者と費用負担を決めておく:届出・処分の義務を負うのは所有者です。賃貸物件や売買の前には、誰が対応するかを契約で明確にする
  • 低濃度PCBも同時に確認する:同じ建物に低濃度PCBの機器があれば、処分期限(2027年3月31日)に間に合うよう早めに手配する

よくある質問

Q. 期限が過ぎているので、もう処分できないのですか?

処分できなくなるわけではありません。届出と適正な保管を行い、民間の処理体制の整備状況を確認しながら処分を進めます。2027年4月以降は、判明した日から政令で定める期間内の処分が義務になります。

Q. 安定器が高濃度PCBかどうかは、どうやって見分けますか?

銘板のメーカー・型式・製造年を確認し、メーカーや業界団体の資料で照合します。判断できない場合は自治体や専門業者に相談してください。

Q. 低濃度PCBの助成金は使えますか?

産業廃棄物処理事業振興財団の低濃度PCB廃棄物の処理助成は、高濃度PCB廃棄物と安定器は対象外です。低濃度PCBの機器については低濃度PCBの助成金・補助金をご覧ください。

※制度・処理体制は変わることがあります。最新の情報は環境省と所在地の自治体の案内を確認してください。

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